-小説教本-

「小説教本」

小説を執筆されてる方々にとって大変参考になるものですので、ご提供者様に許可をいただき、
こちらに掲載させていただきました。


※この文章は一般的な小説に関する書き方の項目で、ご提供者様の考案したものではございません。


小説を書くに当たっての心構え。


*第一章最低限の文章作法

もし、自分の書いた小説を人に読んでほしいと思うのなら、以下の基本的な文章作法は遵守すべきである。
尚、この文章作法は、私が学んだ方のものであるため、「絶対ではない」が、おおよそ一般的なものである。

◆第一項段落の字下げ

段落(一改行から次の改行までの間の一文のこと)の文頭は一文字分の空白を空けて書き始めること。
尚、多くのインターネット上の文章ではこのルールは余り守られていないが、レポートや手紙、
多くの書類にも適応される日本語の基本である。

◇一例

×
あんなのどうやって倒せばいい。
剣か……銃か、爆弾でも持って来いと言うのか、残
念ながらこちらにはそんなに充実した武装は無い。


 あんなのどうやって倒せばいい。
 剣か……銃か、爆弾でも持って来いと言うのか、
残念ながらこちらにはそんなに充実した武装は無い。


◆第二項括弧(かっこ)の字下げ

段落の文頭は字下げを行うと言う事は上に書いた通りであるが、
文頭に括弧(「」()等)が来る場合は字下げを行わなくても良い。

◇一例

×
 彼女は涙声で言った。
 「これでは道化だわ」


 彼女は涙声で言った。
「これでは道化だわ」


◆第三項三点リーダとダッシュ

三点リーダ(…)とダッシュ(―)は二文字分を使って書くこと。
筆記ソフトやフォントによっては、文字間隔が離れているため、
二文字分のダッシュが一本の線に見えないこともあるが特に気にする必要は無い。
また、三点リーダは一文字で三つの点があるものを使う。「・・・」ではなく「…」とする。
余りお勧めはしないが、多く三点リーダやダッシュを使用する場合は、
二の倍数になるように使用すると違和感無く収まる。

◇使用例

×
どうすれば良い・・・・・・。
どうすれば良い…。
ーーそうか。
ーそうか。


どうすれば良い……。
――そうか。


◆第四項閉じ括弧直前の句読点

閉じ括弧」)の直前には句読点を置かない事。
尚、古い文学作品では必ずしもこのルールに則ってはいないが「現在」では以下の書き方が基準となっている。

◇一例

×
「よし、それでいこう。」
(やむを得んか……。)


「よし、それでいこう」
(やむを得んか……)


◆第五項「!」や「?」の後の空白

エクスクラメーションマーク(!)やクエスチョンマーク(?)を使用した後には、一文字分の空白を入れること。
ただし、「うわぁ!」と言うように、その後に閉じ括弧が続く場合は空白を入れなくても良い。

◇一例

×
「南無三!寝過ごしたか!」
「なんだと?ありえない」


「南無三! 寝過ごしたか!」
「なんだと? ありえない」


◆第六項行頭や行末に持ってきてはいけない文字

句読点や「!」及び「?」、または閉じ括弧を行頭には持ってこないこと。
また、開き括弧を行末に持ってきてはならない。
多くのワープロソフトではこちらの禁則処理を簡単に行うことが出来るが、
HTML形式やテキストファイルの場合は自力でこの処理を行う。

◇一例

×
「彼の言葉の真意はどこにあるのだろう
。まさか……」

その時、彼女は叫んだ。「
ありえないわ!」


「彼の言葉の真意はどこにあるのだろう。
まさか……」

その時、彼女は叫んだ。
「ありえないわ!」


◆漢数字と英数字

小説を書く際は基本的に英数字ではなく、漢数字を使うこと。
見栄えの観点から、横書き文章では英数字の方がしっくり来るかもしれない。
しかし、「一騎当千」「一息」など、漢数字は日本語の中に組み込まれているため、
英数字を使うと、英数字と漢数字がひとつの文章内に登場してしまうと言う問題が生じる。
これは文体を統一すると言う前提に抵触する。

◇一例

×
110キログラム
128番


百十キログラム
一二八番


以上が、小説を書く上での大原則、文章作法である。
文章力の巧緻に関わりなく、小説を書く者ならばこの作法には則るべきである。



*第二章書く前の心構え

私が感銘を受けた小説家の言葉を、私なりの書き方で解説させてもらう。
ただし、所々はその方や私の自身の主観が入っている箇所もあるので、それを念頭に入れて読んで頂きたい。

◆第一項物語は観察日記ではない

登場人物の行動の一挙手一投足を丁寧に順序良く書いている小説を見かけることがある。
しかし、別にその人物の行動の全てを書く必要は無いし、時間や場所に縛られる必要もない。

子供の成長日記を、子供が成人した所から書き始めたり、
世に生を受けてから立ち上がるまでを飛ばしたら怒られるかもしれないが、
これが小説ならば怒られる事は無い。受精から着床、出産までの期間を事細かに書くのもいいが、
だったら生まれてからハイハイをし、言葉を覚え、自分で立ち上がり、
歩き出すと言ったシーンをドラマチックに書いたほうが面白くなるのではないだろうか。
更に病気にかかったり、犯罪に巻き込まれたり、想像を絶する麒麟児であるということにしても誰も怒らない。
つまり、物語と言うのは限りなく自由で作者の想像しだいでいくらでも広がるものである。
それを現実と同じ流れでしか書かないのであれば、物語の幅は狭くなり退屈な話になってしまう。


◆第二項物語は娯楽である

物語を自分が楽しむ為に書いたり、主義主張のために書いても一向問題は無い。
しかし、その作品が人々を楽しませる作品になるかは分からない。

多くの人が楽しめる作品を作りたいなら物語は娯楽と考える事である。
娯楽と言っても笑わせるだけが娯楽ではない。
見ている人や読んでいる人に「感動」「笑い」「恐怖」「興奮」と言った様々な感情を与える事が娯楽
(エンターテイメント)と言えるだろう。

たまに娯楽作品の事を読者に媚を売っているとか、軽薄で深みがないなどと言う者があるが、
店に並んでいるフィクションの書籍や映像作品は人々を楽しませるためのものであり、
読者に楽しんでもらおうと努力する事が一番望ましい創作姿勢ではないだろうか。
また、笑いやアクションが盛り込まれているからと言ってその作品が軽薄と言うのは、
それこそ軽薄ではないだろうか。


◆第三項連載は続けなくてはならない

一度始めた連載物は途中で止めてはならない。途中まで読んでくださった方々に失礼である。
例え辛くとも、最後まで書くか、どこかで「きちんとした」区切りをつけるのが作家の義務である。
話の全体像をきちんと考えていない状態で連載を始めると、この泥沼にはまりやすい。
書いている途中に創作意欲が無くなると言うパターンもある。
私自身、『咎と裁き』の余りの出来の悪さに赤面し、これを一から綴り直す覚悟を決めた。
とりあえず、第一章と言う形で書き終えはしたので、新たに新説として登場する日をお待ち頂きたい。
物語は作家の子も同じ、子が世に出るまで育てずに放り出す親は最悪な親であるのと同じように、
世に物語を送り出す前に放り出す作家もまた最悪である。
親が子の命には責任を持つように、作家は自ら命を吹き込んだ物語に責任を持つべきである。


◆第四項現実の問題を扱うときは慎重を期する

「人を傷つけはいけない」とか「盗みは良くない」と言った、誰もが倫理的に納得できる主義主張はいくらしてもよい。
ただ、現実には簡単に答えの出せない複雑な問題も数多くある。
例を挙げるなら「沖縄基地問題」「安楽死」「死刑制度」「ガンの告知」とそれこそ、
天駆ける星の如く数限りなくあるのだが、こう言う問題を取り扱う場合は、
フィクション、ノンフィクションの別なく慎重に扱わなければならない。

◇謝った事実を書いてはならない
当然の事だが、特にこう言う問題に関しての事実関係を間違えると言う事があってはならない。
ただし、この事実自体が曖昧な場合もある。例を挙げるなら、南京大虐殺での被害者の数や、
そもそもその事件があったかなかったかと言う点まで、実に様々な意見がある。
こう言う場合は「〇〇の見解では〇〇である」と言う具合に、誰の意見かをはっきり書いておくべきであり、
くれぐれも説を事実として書いてはならない。

◇平等でなければならない
これが一番難しいことなのだが、両方の立場の意見を平等に扱わなければならない。
作者の主観が入ってしまう恐れがあるので多くの人の意見を聞いてみる事が望ましい
(それでも完全に主観が排除される事はないに等しい)。
これについて絶対に避けるべき物語の手法が紹介されていたので、ここに抜粋する。

−美味しんぼ
捕鯨問題を扱った回で主人公の山岡は捕鯨反対派の外国人と討論して
捕鯨を反対する理由の一つ一つに反論してゆくのである。それに対して中立的な立場の人間が相槌を打ち、
最終的には捕鯨反対派が説き伏せられてしまうという内容の話である。

問題点は大きく二つある。一つは討論する人物が物語り上対等な立場にないことである。
正義感があり信念に基いて行動する主人公と、たまにしか出てこない脇役とを討論させるだけで
既に平等とは言えない。更に問題なのは討論中に主人公の意見に他の登場人物が染まってしまうと言う事である。
これではいかにも主人公の意見が正しいように見えてしまう。これは最も卑怯な自己主張である。
この手法だけは使ってはならない。
そう言う自己主張はノンフィクションで行うべきである。


以上は、小説を書く前の準備段階である。
この時点で文章を読むことに飽きた人は早々に筆を置いた方が宜しかろう。
何故なら、小説を書く上で自分の書いた文章を何十回と見直さなければならないからだ。
ろくに推敲もしない小説を読まされても、内容は誤字脱字や誤表現、
不自然な描写などが満載された自己満足の塊であり読むに耐えないためである。
そして、ここまで心の中で十分に吟味されている方は次に進まれると宜しかろう。
ここからは更に立ち入った話、小説の書き方の技術編となる。



*第三章物語には何が必要か

物語には正解や不正解は無い代わりに絶対に面白いと言うものも無い。
その代わり「これがあれば面白くなりやすい」と言うポイントはある。

◆第一項舞台と登場人物とストーリーが必要

舞台があって、人が居て、そこからストーリーが生まれる。と言うのが建前だが、
面白い話を作るには、これらは同時に考えるべきである。
と言うのも、これらは綿密なつながりがあり、登場人物を生かせる舞台やストーリーを活かせる登場人物というように、
何処かを固定せずに良い組み合わせを柔軟に見つけ出したい。


◆第二項読者の知識を利用する事が必要

小説と言うのは、文字を読むことにより、読者がその映像と思考を自らの頭に展開することだと思う。
よって、読者がその文字を映像や思考に変換できないのであれば意味が無い。
具体的例を挙げるなら、専門用語を説明もなしに使ったり、普通の人には読めない難しい漢字を多用してはいけない。
特に上記二つの問題点は中学生から高校生までの作家に多く見られる傾向である。
難しい漢字を使えば格好良いというのは間違いである、人に読んで理解してもらえなければ何の意味も無い。
その様な価値観は溝にでも投げ捨てるべきである。
話が横道に逸れたが、万人に理解してもらおうとすると、それは恐ろしく説明的な小説になるだろう。
作品の質を保つためならば、少数の読者は切り捨てたほうがよい場合もある。
どうせSF小説を読むのはSFが好きな人であるから、そう言う人はSFの知識はある程度持っているものである。


◆第三項心の描写が必要

どんなジャンルの小説でも、結局面白いのは、登場人物の思考・思想の部分だと思う。愛情、恐怖、葛藤、
悲しみ等の心を読者に感じてもらうことが大切である。
作者としては、そう言う心の状態に持っていくために様々な仕掛けを用意して誘導してやる必要がある。


◆第四項五感の感じ方の描写が必要

登場人物がどのように感じているか読者にも感じてもらえれば、より臨場感がますだろう。
人間の感覚器官は、視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚の五つである。
これらの感じ方を書くことで読者に臨場感を感じてもらえる。
匂いや感触は特に入れるのを忘れがちであるため注意が必要である。


◆第五項ドラマが必要

例えば、ある高校生が学校に行って勉強をして、コンビニに行って、家に帰ってゲームをする。
などと言う日常をひたすら書かれても何の面白さも無い。それなら学校で好きな子について様々思いを巡らせたり、
行動を起こしたり、コンビニで誰かに知り合ったり強盗に出会った方が面白い。
日常的なシーンも当然必要なのだが、それだけで小説を構成して面白くするとなると、かなり大変である。



*第四章舞台をどこにするか

舞台は読者が知らない世界にする方が、読者はまるで未開の地を旅するような感覚になり楽しめる。
これは、ファンタジーやSFのように全く別世界ではなく、外国であったり、特定の業界の場合も同じである。
誰しも知らない事を知ると言うのは楽しいものだし、一部の知っている人間にとっては
「自分が良く知っている舞台」だと一種の優越感の様なものを感じることが出来る。
この章では、知らない世界を書く技術などを私が学んだ事を中心に解説する。

◆第一項誰しも一つは知っている世界がある

自分は外国旅行に行ったことも留学した事もないし、兵隊でもなければ弁護士でもないと誰しも思うかもしれない。
しかし、誰しも一つは知っている世界があるものである。
サラリーマンが外回りに出かける、それが営業だったり何かの勧誘だったりすれば、
そこにはその職に就く人しか知らないルールがあるはずであるし、
学生ならば無論現在の学校のあり方には精通しているはずである。
勿論、その舞台が特殊であればあるほど作品的に面白くはなるが、どんな世界も知らない人には面白いものである。


◆第二項知らない世界は勉強せよ

自分の知っている世界だけしか書けないのならば、作家の書ける作品はとても限られてしまうだろう。
しかし、知らない世界を書く方法は簡単で……ずばり勉強である。
資料を集めそれと格闘し、勉強するしかない。この勉強の時間を疎かにすると、
狩りに別世界を舞台にしても中途半端なちんけなものが出来上がってしまうのは火を見るよりも明らかである。
具体的な資料の集め方については種々方法があるが、最近ならばインターネットを活用するのも手であるし、
より密度の高い情報を求めるならばやはり図書館だろう。


◆第三項異国情緒を出す

例えば、外国を舞台にしてスポーツの観戦風景を延々書いたとして、外国を舞台にするメリットはあるだろうか?
多少はあるにしろ、そんな事は日本でも出来ることである。
もっと、その国らしさが出る部分を描写し描くべきではないだろうか。外国だけ関わらず、
例えば病院やホテルを利用する時、大抵我々は客や患者としての視点でしか見ることが出来ない。
ホテルの部屋や病室などは大抵の人間は知っているもので興味は薄い。が、
従業員や職員しか見ることの出来ない裏側を描くとすれば、それは読者の興味を誘う事が出来るのではないだろうか?
いずれにせよ、調べると言う行為は労力を必要とするが、それに見合った作品は出来るだろう。
逆にそこを疎かにすると、上記のようにつまらないものが生まれてしまうことは断言できる。


◆第四項読者の平均知識を考慮に入れる

作者が良く知っている世界を舞台とする場合に特に気をつけたいのが、
普通の読者がその世界をどれくらい知っているか把握する事である。
ここを読み誤ると、説明が冗長で退屈になったり、逆に説明不足で理解不能な作品になってしまう。
その世界を知らない人間にも分かりやすく書こうとしなければ、
その小説は一部の人間にしか分からない独りよがりな作品となるだろう。
そんなものはチラシの裏にでも書いておく方が良かろう。


◆ストーリーを忘れる事無きよう

知らない世界が読者にとって面白いとは言え、異国情緒溢れる場所を次々と渡り歩いて
ストーリーをおざなりにしてはならない。それは小説ではなく「旅行記」である。
知らない世界を書くのは、ストーリーの山場と山場の間で退屈にさせないスパイスのようなものと
考えると良いかもしれない。



*第五章タイトルは何を気にすべきか

読者が複数の作品から一つの作品を選択する際に、タイトルと言うのは重要な要素となる。
また、タイトルは読者が一番最初に接触する物語の一部である事を忘れてはならない。
あらゆる物のタイトルには絶対普遍の二つの要素が重要である。それは、「分かりやすさ」と「インパクト」である。
物語のタイトルの場合は更に幾つかのパターンがあるのでそれらも以下で私の見知った限りで解説する。

◆第一項分かりやすさ

これは作品の内容を僅か数文字から数十文字のタイトルから分かるようにする事である。
具体的には作品のジャンルや話の堅さ、テーマなどから分けると分かりやすい。
話の堅さが分かるタイトルの付け方として、例えば「みつばち」と「毒蜂」では随分印象は違うのではないだろうか。
表現を少々いじるだけで印象はがらりと変わるものである。
テーマはそのまま。「近代戦記」ならば「鋼鉄の凱歌」とかその辺で宜しかろう。
そして、とにかく一番重要と思われるのが、最後に説明するジャンルである。
そのジャンルを連想させるキーワードをいくつか紹介させて頂く。

【ホラー】――恐怖、血、雨、悪魔、暗黒、闇、憎悪、静寂、赤、心臓、黒、地獄、奈落etc

【ミステリー・サスペンス】――殺人、事件、計画、標的、死体、探偵、死、嘘、論理、泥棒、怪盗etc

【恋愛】――春、青春、愛、恋、物語、ストーリー、出逢い、巡り会い、別れetc

【SF】――未来、機械、サイバー、人間、ネットワーク、電子、ナノ、宇宙、アンドロイド、ロボット、ウィルス、銀河、惑星etc

【ファンタジー】――竜、ドラゴン、モンスター、幻、魔法、剣、光、伝説、神話、神、女神、天使、天国etc

コレに限らないが、日本語の持つ独特のイメージを利用する事は有効な手段である。


◆第二項インパクト

インパクトがあるタイトルを解説するのは難しい、そこには得てして主観が混入するためである。
強いて言うなら以下のようなものがある。


◇第一節目に付く単語を入れる

目に付いただけで心臓がはねるような単語がある。「殺人」や「血」など「死」にまつわる単語や、
「死」それ自体もそうである。
SEXや性にまつわる単語も目を引くと言う点では、かなりインパクトがあるのではないか……
青臭い中学生の頃、自分も「しようよ」と言う漫画に目を惹かれたものである。


◇第二節矛盾したタイトル

一見、「おや?」と思わせるタイトルも目を惹く。
例えば「007は二度死ぬ」とは最たる例である……同じ人間が二度死ぬ訳は無いのだから、
思わず「これは……」と思ってしまう。


◇第三節相反する単語を入れる

若干上の節と内容が重複するが、例えば相性の悪い単語同士をくっつけるのも手である。
例を挙げるなら「死亡遊戯」など、「死亡」と言う暗い単語に、
「遊戯」と言う明るい単語が融合しある種の異様さを漂わせている。


◇第四節パロディ

名作のタイトルを少し捻ったものをタイトルとして据えるものであるが、これはそうじて軽めの作品に有効である。
ただし、内容まで似せる必要は無いので、くれぐれも盗作等はしないように。


◆第四項洒落の効いたタイトル

ここは、私が小説を学んだホームページの管理者の言葉をそのまま引用させていただく。

以下原文

個人的に好きなのがこれ。作品を読んだり、
観たりしていて最初と最後ではタイトルの意味が違って見えるとニヤリとさせられる。
例えば「脱出」と言う作品があるとする。内容はこうだ。

ある男が牢獄の中で「ここから出せ」とわめいている。
同室の男が「そんなに出たいなら出してやろうか」と言い、いきなりその男の首を絞める。
次の日、死体は牢獄から運び出される。
首を絞めた男は最後に言う。
「なっ、出られただろう!」

読者は恐らくタイトルからこの男が脱出を企てる物語だと思うだろう。
しかし、実際は死体となって出る事になる。タイトルで読者が勘違いするのを逆手に取った手法。

以上原文


◆第五項固有名詞がタイトル

どう言うわけか、ロボット物やSFに多いのがこのタイプのタイトルである。
最たる例は「機動戦士ガンダム」や「宇宙戦艦ヤマト」など。
他にも女性の名前など「キャリー」とか「SADA」とかもある。
これはタイトルが後からついてくるパターンに多く見られる。
はじめて観る人にはしっくりこないだろうが、見ているうちにこれ以上相応しいタイトルは内容に思えてくる。
ガンダムはもはやガンダムなのである。ガンボイが原案だと言われても私は信じない。



以上が「小説を書く前の準備段階」である。
後はもはや書いてみて、何度も自分で推敲を重ね、悪い所を直し、良い所を伸ばし、
練磨していかなければならない。
小説に正解は無いが、同時に好き勝手に書いてもそれは自慰行為であり、人に見せるべきではない。

投稿小説モンスターハンターでは、多くの作家がモンスターハンターを題材にした二次創作小説を書く。
しかし、多くの場合ろくに取材もしていないのでは無いだろうか?
この文章中にも書いたように、「ある世界」を描くには、その世界を勉強する必要がある。
それは「ゲーム」の世界も同じなのである、特に世界観がきちんと設定してあるものに関しては、
それをよく遵守し描くべきである。
他国の小説に、自分の国が描かれてあり、そこで滅茶苦茶を書かれていては誰でも気分を悪くする、そう言うことである。
また、オリジナルの小説を書いた者なら分かるだろうが、自分の考えた世界を全く無視されると言う事は、
最大の侮辱である。二次創作を取り扱う者は「覚悟」と「責任」を持って、その作品に取り組まなければならない。

またモンスターハンターの詳細な世界観については、別書を参照して頂きたい。


-------------------------------------------------------

以下は投稿小説にてご活躍の「羅王」様が考案されたマニュアルです。
とても参考になりますので、小説を投稿される方は是非お読みください。


《基本編》

【改行をする】

本文と会話は一行空けたり、場所や時間が変わるときは大きくスペースをとるなどすると、とても見やすくなると思います。
いくらスペースを空けても文の量は変わりません。もったいもったいがらずに改行しよう!

目安としては私の場合は<会話>と<本文>を分けてだいたい3,4行でまとめています。


【一回の投稿でもっと多く書き込もう】

見ていて気になるのはなんか一回の投稿で一行しか書かなかったり、五行ぐらいで終わりにしてしまったりするものが多く見られます。小説を書いているのですから、文を多く書いて小説らしいものを書こう!
少なくともワード一枚分ぐらいは欲しいですね。

【他の人の作品をよく見よう】

何より上達のコツは他の人の作品を見て勉強することだと思います。すばらしいものがたくさんありますよ。

例明るいコメディ⇒mlk(作者)
 大迫力の大火力武器戦⇒亜覇吐
 緻密な計算に基づくミステリィ⇒ZTH
 素晴らしい戦闘描写⇒Cielo
 人物同士の掛け合い⇒setsunaZERO
 一人称での感情表現⇒シルバー

 (敬称略)

《戦闘編》

@効果音のみ、極端に短い戦闘は避ける。

こればっかりはアニメなどの動きを参考にしてみたり安井健太郎氏の作品などを参考にするといいでしょう。

A煮詰まったらオリジナルモンスター等を出す(出しすぎるとモンハンから離れるので注意)

もう個性だけで言えば皆さん半端ないので並みの話だと埋もれてしまいます。
つまるところ、他とは違うオリジナルがあるだけで結構反応も変わってくるものなのです。(パクリはダメです)

Bセリフの主語を明確に(誰のセリフ?ってのは読みにくいんで…)

これを回避するにはキャラの語尾に「さー」「な」「んな」とかつけてやるかキャラの口調を明確にして(「丁寧」とか「投げやり」とか・・))みるといいです。そんなん無くても読者がわかるのが理想ですね。

C敵・味方問わずやたらキャラを強く設定しすぎない。

あたりまえの話ですが主人公が登場した瞬間からミラボを一撃で瞬殺とかいうのはあまり面白くありません。
基本的に努力や仲間との協力の結果、強敵に勝利するのがモンハンの趣旨なんで。

Dコメント欄で指摘されている所は読者の直な考えなので改善を心がける

これは外したらいけません。重要ポイントです。
例えば

「なんで○○は××の時にいなかったんですか?」

というコメントがあればそこんところを加筆するなり次回への伏線にするなりできるわけです。


E戦闘の展開

ゲームだったら主人公はクックを虐殺するもアカムと一騎打ちするも自由自在なのですがこれは小説です。
よくオンラインでのハンター同士のふざけあいとかはあんなもん実際にやったら殺されかねません。
そしてゲームではないのでハンマーで頭を粉々にされれば一撃でレウスを葬ることもできますしラオに踏まれればハンターは圧死します。
ハンターも別に正義のヒーローではないので勝てないと思ったら逃げ出すのも一つの手です。命あってのものだねです。

当たり前ですがハンター達が立っているのは<theworld>のような仮想空間ではなく実際の地面の上です。
頭の上に体力ゲージなんてありません。勿論体力ゲージもないです。
ですから当然<レンキゲージ>がたまったとか言うのはご法度です。感覚的に表現するしかありません。
アイテムもまた然りです。
代表的な例で見ますと

<回復薬>系⇒痛み止め+強壮
<鬼人薬><強走薬>等⇒一種のドーピング
<強走薬>の場合一応無理矢理疲れないようにしているだけなので使い終わった後にはその間のつかれがたまっている物と思われます。

<研石>⇒当然ですが三回擦って「ハイ出来上がり!」ってのは無理です。汚れを落とす水ができれば欲しいところ。

<大タル爆弾等のでかい物>
常識的に考えればあんな物をポーチに入れるのはおろかそれを引っ張って密林のホームのツタを上るなんて無理でしょう。
事前に下準備として洞窟などに隠しておくのがリアルです。

<ポーチ>
これについて深く考えてはいけません。時間の無駄です。


F戦闘後
当然のごとく剥ぎ取りをするなり捕獲したモンスターを運ぶなりします。
もしかしたらその戦闘で仲間がやられてしまったかもしれません。
戦闘後はキャラの感情を表現しやすいので活用されたし。

<世界観の概要>
中世ヨーロッパを舞台にした竜退治のファンタジー物語を基本イメージとしていると思われる。しかし、プレイヤーと相対する飛竜も、モンスターと呼ばれる敵キャラクターも、非常に生物的に表現されており独特のリアリティがある。
この世界の竜には生物としての恐竜のイメージが付加されており、特にランポス種と呼ばれる小型モンスターの姿は小型肉食恐竜そのものである。他にも中型の草食恐竜や、大きなイノシシや、巨大な蜂のような羽虫など、モンスターとは呼ばれるものの、あくまで現実的な"生物"として登場する。
その中で特異な能力を持つのが飛竜種(ワイバーン)と呼ばれる大型の竜で、空を飛んだり、火を吐いたり、ガスを噴出したりとファンタジー的要素を持つ。しかし、それぞれの特徴はやはり生態に基づく物で、あくまで或る生物種の一個体として存在している。
しかしながら、「古龍種」の多くは前述の飛竜種に輪をかけて非現実的な外見と能力を持っており、ファンタジーの世界から抜け出てきたような姿、風のバリアをまとって弓矢を弾き返す、粉塵爆発の原理で周囲一帯の空間を爆破する等、生態系を含む従来の泥臭く原始的な世界観から逸脱する圧倒的な強さを誇る。
これらモンスターを討伐または捕獲する事が多くのクエストの目標であり、この世界のハンターの生業である。近年は、討伐と捕獲をまとめて「狩猟」と呼ぶようになった。
自然には無い方法でアイテムを生成する錬金術は存在するが、魔法と言う概念は存在しない。そのかわり、モンスターの素材や鉱石の持つ、発火や放電といった特性を利用することで、炎を発する剣や電気を帯びた槍などの超自然的な能力を持った道具が製作される。これらは素材の特性を活かす研究と設計の産物であり、一定の技術を持つ者ならば作成可能な工業製品のように扱われている。


《組織等》

<古代文明>

舞台は、高度な科学技術を持った古代文明が滅びた後の時代とされる。古代文明が滅びた具体的な説明はおろか、古代文明の存在自体が作中では殆ど語られない。
ゲームの舞台となっている時代の方が技術的にかなり劣っている為、古代文明の武器等は再現する事が非常に難しい。遺跡等から発掘された物を解析・再現した武器も一応存在するが、本物に比べるとかなり劣っている。
その為、原形を留めている武器が発見されると、様々な研磨剤を使用して復元・実用化している場合もある。

<現代>

古代文明が滅びた後の時代で、ハンター(プレイヤー)が活躍する時代。ハンターは村や街を拠点に活動し、人々から仕事の依頼を村長やギルドの窓口を介して受けている。また作中では全く関与してこないが、王や王国騎士などが仕事を依頼してくる事から、この時代は王国が存在する<王政>である事が判る。また、シュレイド地方と呼ばれる地域が東西に分割されており、東に王都ヴェルド、西に共和国首都リーヴェルという記述があることから、<共和制国家>も存在している事が判る。

<ハンターズギルド>

多くのハンターが集う街などの拠点では、ハンターズギルドと呼ばれる組織がハンターの活動を統括しており、その影響力は辺境の村にも及ぶ。主な業務は依頼者とハンターを仲介しての依頼の斡旋で、プレイヤーはギルドの受付から各種の依頼を受けてクエストに臨む。
また依頼の斡旋以外にも、モンスター取り引き価格の設定や、新人ハンターの命を守るためのランク制狩猟制限などのルール造り、街を襲う古龍に対する迎撃作戦の実施など、ハンターの活動に関わるほぼすべてを取り仕切るほか、ギルドナイト(ギルドナイツ)と呼ばれる専属ハンターによる、未登録ハンターに対する取締りもギルドが行う。こうした戦闘的な側面も持つため正式装備が定められており、プレイヤーの作成可能な装備品にもギルドナイトセーバーやギルドナイトベストといった、正式品を模してギルドの名を冠する物が存在する。

※「ライターズマニュアル」は羅王様に許可をいただき掲載させていただいております。

戻る

inserted by FC2 system